20221224 投資日記 日銀の利上げについて(重要)

投資日記

みなさん今週は日銀の利上げ観測でかなりヒヤヒヤしたのではないでしょうか?しかしいまいちなんのこっちゃって思ってる人が多いかもしれないので簡単に説明します。

日銀の利上げ概要

長期金利をプラスマイナス0.25%の範囲内での管理からプラスマイナス0.5%の範囲内での管理に変更するということでした。マスコミは事実上の利上げと言ってるみたいですけど、事実無根です。一言もそんなこと言ってませんからね。

じゃあなんで日銀がそんなことを言ったのか?それは市場の反応を見てみるためです。FRB(アメリカの日銀のようなもの)は良くやります。市場と対話しながら落とし所を探るのです。実際、将来的に利上げするとしても、何回か揺さぶりをかけてショックが和らいだところで利上げがあるかもしれません。

そもそも利上げってなにするの?

利上げを解説するには利下げについて触れないといけません。長期金利って言ってましたよね。これは国債を発行するときの利子になります。国債が売れなければ国債の価格も下がって事実上利子が良い状態になります。しかし、アベノミクスが始まってから日銀はものすごいペースで国債を買いまくりました。国債を日銀が買い取ってしまえば利子を払わなくて済みますよね。最終的に国債は通貨に変えられるので合理的だと思います。2010年当時10%程度だった日銀の国債保有率は今では50%くらいあります。日銀が無制限に買い取れば国は無制限に借金できます。賛否両論ありますが、国債が円建てで発行されている以上、若干インフレになるかもしれませんがなんの問題もありません。それでは利上げとは何をするのか。利下げの逆です。国債の買い入れ額を減らす。もしくは国が国債を増発しても現在の水準以上買い取らない。となります。

利下げの弊害

アベノミクス以降の日銀の利下げで何が起こったでしょうか。一番割りを食ったのは銀行業です。実際今回の報道で銀行各社の株が暴騰しました。なぜなのか?

苦しい銀行業

長らく続く不況で業績の良い企業は内部留保(貯金)を増やしました。銀行に頼らなくても良い体質に変化したのです。借りてくれる会社は業績拡大ではなく、運転資金に充てるところが多くなりました。何か業績の悪化などがあれば、すぐに不良債権になってしまいます。唯一安全そうな住宅ローンも金利を安くしなくては借りてくれないし、時代の流れで賃貸でいいやって人が増えてきており、こちらもかつてほど美味しい商売ではありません。

そんななか銀行業にとって国債はオアシスみたいな存在でした。個人から安く資金を調達して長期国債を買ってその利鞘を、稼ぐというものです。日銀の国債買い入れで銀行業はその手法が取れなくなりました。行き場を失ったお金は株式市場へと流れ込みました。

利下げ(国債を日銀が買う)があると銀行業の業績が悪化する。銀行は国債を売って株式を買う。利上げがあると逆になるので株式は売られる。
利上げと住宅ローンが上がる

これは良く言われてますがなぜでしょう。国債買っとけば安全に資産が増えるのですから銀行にとっては貸すときは国債の利息以上じゃ無いと貸したくないですよね。ですから住宅ローンの金利が上がるのです。住宅ローンの金利が上がれば銀行の利益も増えますが、一定数払えなくなる人も出てくるので痛し痒しですね。

銀行業は変革の時

この10年くらいで銀行業を取り巻く環境は大きく変わりました。ざっくりいうと借り手の減少、業務のデジタル化です。私の若い時は、銀行と言えば15時には窓口業務を閉めてました。電卓叩いて紙に書いて一円単位まで揃えるためです。しかし、今では電子マネーが普及し、記録も、送金もただのデータ送信です決済された瞬間に帳簿が更新され、手計算のようにずれることもありません。現金が必要になってもコンビニでお金がおろせるようになってどこの銀行に預けてるかなんて関係ない時代になりましたよね。それに伴って店舗も必要なくなりました。実際私もメインバンクの口座を開いてから24年経ちますが、口座開設以来一度もメインバンクに行った事がありません。銀行はお金を安全に保管してくれれば良いと言う人も多いのではないのでしょうか。

今後の銀行は資金を預かって下ろすだけの役割が大半になり、運用する銀行は一部に限られると思います。ですので今後銀行業では再び大きな再編があるでしょう。

 

少し長くなりましたが、今回の、ドタバタを見て私が感じたことです。

 

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